国公立・私立医学部の偏差値・学費を大学別にランキングで紹介

医学部医学科を目指すにあたって、「大学に入学する難しさ」を表すのが偏差値、「大学に通い続ける難しさ」を表すのが学費等の費用です

この記事では、その2つについて、全国の医学部医学科がある大学を国公立大学・私立大学ともに徹底比較していきます!

医学部医学科の受験偏差値ランキング【国公立大学編】

医学部医学科の受験偏差値ランキング【国公立大学編】
まずは、国公立大学の医学部医学科の偏差値ランキングを見ていきましょう。

このデータは、河合塾にて公開されている入試難易度表から、ボーダーラインとされているものをもとに作成しました。

まずは、前期入試(一般枠のみ)です。

大学名 2次試験偏差値 共通テスト得点率
東京大学 72.5 91
京都大学 72.5 86
東京医科歯科大学 70 86
大阪大学 70 85
横浜市立大学 67.5 85
千葉大学 67.5 85
東北大学 67.5 82
神戸大学 67.5 82
九州大学 67.5 82
北海道大学 65 82
名古屋大学 65 82
筑波大学 65 82
岡山大学 67.5 81
大阪公立大学 65 81
広島大学 65 80
名古屋市立大学 65 79
京都府立医科大学 65 79
奈良県立医科大学 65 78
滋賀医科大学 65 78
熊本大学 65 78
和歌山県立医科大学 62.5 78
三重大学 65 77
新潟大学 65 77
長崎大学 65 77
島根大学 65 77
金沢大学 65 77
愛媛大学 65 77
山形大学 62.5 77
香川大学 62.5 77
札幌医科大学 60 77
山口大学 65 76
福井大学 65 76
浜松医科大学 65 76
信州大学 65 76
群馬大学 65 76
福島県立医科大学 62.5 76
富山大学 62.5 76
鳥取大学 62.5 76
徳島大学 62.5 76
佐賀大学 62.5 76
高知大学 62.5 76
岐阜大学 62.5 76
鹿児島大学 62.5 76
旭川医科大学 62.5 76
秋田大学 62.5 76
弘前大学 76
宮崎大学 62.5 75
大分大学 62.5 75
琉球大学 62.5 74

この偏差値表から見て分かるように、「旧帝国大学」及び「三大都市圏に近い大学」は人気が高く、偏差値が高いことが分かります。

そして、全ての大学が二次試験の偏差値が60を超えています。

ちなみに、東京大学理科一類・理科二類は二次試験の偏差値が67.5ですので、東北大学や九州大学などに合格するためには、東大レベルの勉強をしなければならないことになります。

また、地方国公立大学の医学部医学科でも二次試験の偏差値は62.5であることが多く、これは京都大学の農学部や工学部に匹敵するレベルとなっていることからも、医学部医学科に合格する難易度が分かります。

なお、弘前大学は前期入試を行っている医学部医学科で唯一特殊な入試方式(総合問題)を行っている為、2次試験の偏差値が示されていません。

次に、国公立大学後期入試の医学部医学科偏差値ランキングについてみていきます。

大学名 2次試験偏差値 共通テスト得点率
東京医科歯科大学 89
千葉大学 70 87
山梨大学 70 86
奈良県立医科大学 70 85
名古屋大学 84
福井大学 83
三重大学 83
山口大学 83
旭川医科大学 65 82
秋田大学 82
山形大学 82
佐賀大学 82
鹿児島大学 82
浜松医科大学 81
宮崎大学 67.5 80
琉球大学 79

表において、二次試験の偏差値が空欄になっている大学が多い理由としては、前期試験に比べて後期試験は単純な学力試験ではなく、共通テストの得点率と小論文・面接で合格を決める例が多いことが理由として挙げられます。

そして、見て分かるように前期試験に比べて合格に必要な偏差値が非常に高くなっています。

これは、後期試験はその性質上合格人数を絞っており(唯一の例外は二次試験が後期入試のみ行われる山梨大学)、希望者が殺到するためです。

後期入試での医学部医学科合格には、共通テストでいかに高得点を取れるかということ、そして小論文・面接対策をしっかり行うことが必要になってきます。

医学部医学科の受験偏差値ランキング【私立大学編】

医学部医学科の受験偏差値ランキング【私立大学編】
続いては、私立大学の医学部医学科偏差値ランキングについてみていきましょう。

こちらも、河合塾が公表している私立大学医学部入試難易度予想ランキングを参考に、一般枠の入試におけるものとして作成しました。

大学名 偏差値
慶應義塾大学 72.5
順天堂大学 70
東京慈恵会医科大学 70
日本医科大学 70
自治医科大学 67.5
昭和大学 67.5
東海大学 67.5
東京医科大学 67.5
東邦大学 67.5
日本大学 67.5
大阪医科薬科大学 67.5
関西医科大学 67.5
産業医科大学 67.5
東北医科薬科大学 65
国際医療福祉大学 65
杏林大学 65
帝京大学 65
金沢医科大学 65
愛知医科大学 65
藤田医科大学 65
近畿大学 65
兵庫医科大学 65
久留米大学 65
福岡大学 65
岩手医科大学 62.5
獨協医科大学 62.5
埼玉医科大学 62.5
北里大学 62.5
東京女子医科大学 62.5
聖マリアンナ医科大学 62.5
川崎医科大学 60

私立大学医学部医学科における最高偏差値の慶應義塾大学は東大理科三類に匹敵する偏差値72.5を誇る一方、私立医大は比較的偏差値の幅が広いことが特徴です(川崎医科大学医学部医学科は東京理科大学の薬学部と同じ程度の偏差値帯となります)。

私立大学医学部の入試は、受験が費用と日程の許す限りできる為に受験人数こそ多いですが、医学部受験のチャンスが多いうえに、医学部医学科合格者が他の大学に流れることが多かったり、補欠合格の可能性が高かったりと、合格の可能性は決して低い訳ではありません。

医学部医学科の学費ランキング【一覧】

医学部医学科の学費ランキング【一覧】
最後に、医学部医学科の学費についてみていきましょう。

なお、国立大学においては、学費は殆どの大学で等しくなります。

今回は、6年間の学費(入学金・1年度にかかる授業料・その他納めなければならない費用)を合計した学費ランキングを示します。奨学金や学費免除制度などは基本的に考慮していない値になりますので、ご了承ください。

大学名 学費6年総額(万円) 偏差値(私立大学のみ)
国立大学(※1) 350
札幌医科大学(公立※2) 350
名古屋市立大学(公立) 355
大阪市立大学(公立) 360
横浜市立大学(公立) 372
和歌山県立医科大学(公立) 397
奈良県立医科大学(公立) 402
福島県立医科大学(公立) 407
国際医療福祉大学 1,919 65
順天堂大学 2,080 70
慶應義塾大学 2,206 72.5
日本医科大学 2,230 70
自治医科大学 2,260 67.5
東京慈恵会医科大学 2,281 70
東邦大学 2,630 67.5
関西医科大学 2,814 67.5
昭和大学 2,817 67.5
東京医科大学 2,983 67.5
藤田医科大学 3,053 65
産業医科大学(※3) 3,070 67.5
大阪医科薬科大学 3,208 67.5
日本大学 3,310 67.5
東北医科薬科大学 3,401 65
愛知医科大学 3,435 65
聖マリアンナ医科大学 3,473 62.5
東海大学 3,504 67.5
岩手医科大学 3,529 62.5
近畿大学 3,583 65
久留米大学 3,638 65
獨協医科大学 3,730 62.5
杏林大学 3,759 65
兵庫医科大学 3,760 65
福岡大学 3,774 65
帝京大学 3,938 65
北里大学 3,953 62.5
埼玉医科大学 3,957 62.5
金沢医科大学 4,054 65
東京女子医科大学 4,621 62.5
川崎医科大学 4,737 60

※1 千葉大学・東京医科歯科大学は65万円ほど高くなります。

※2 公立大学は全て県外からの進学の場合です。県内からの進学の場合、総学費は340~360万円となります。

※3 私立大学のなかでも産業医科大学は学生全員に修学資金の貸与を行う制度があり、それを考慮した場合実質の学費は1,150万円ほどになります。

表で見て分かるように、国公立大学医学部医学科と私立大学医学部医学科とでは大きく学費が異なります

最も私立大学で学費が少額な国際医療福祉大学医学部医学科でも、国公立大学のそれとは学費が6倍ほど。学費最高額の川崎医科大学に関しては、13倍以上になります。それに加えて生活費もかかってきます。

また、参考として表に私立大学の学費も書き加えました。必ずしもそうとは言えませんが、比較的偏差値の高い私立大学は学費も低い傾向にあります。そのため、学費の面で不安要素がある受験生はそれらの大学をまず志望してみるとよいでしょう。

勿論、一見学費が高く見える私立大学の医学部でも、入学時の成績による支援制度や奨学金制度が充実している場合も少なくありません。一度、大学の医学部ホームページをご覧になり、学費支援制度について確認することを強くおすすめします。

まとめ:入試準備の前に難易度・学費の情報を収集しよう!

いかがでしたでしょうか?

この記事では、国公立大学・私立大学医学部医学科の偏差値・学費のランキングについて紹介しました。

もちろん、それらの要素が全てではありませんが、偏差値(入試難易度)や学費は医学部医学科志望の受験生において、入学する大学を選ぶうえで大切な要素となってきます。

特に、国公立大学では入試の機会が少なく偏差値・難易度が重要となり、私立大学では学費が高いことから費用が重要となってくることでしょう

入試の準備を始める前、時間があるタイミングで、自分が志望する可能性のある大学の情報は、しっかりと集めておくことが肝要です。

そして、この記事がその偏差値・学費の情報収集の参考になっていれば幸いです。

ここまでご覧いただきありがとうございました!

付記:ランキングでは取り扱わなかった医学部医学科のある大学として、防衛医科大学校が挙げられます。

偏差値は河合塾によれば67.5であり、学費は無料。毎月学生手当として12万円ほどの給金と、期末手当として年額40万円ほどが支給されます。

また、入試日程も国公立大学や私立大学の医学部とは異なります。

なお、自衛隊を卒業後9年以内に退官し民間で医師として働くなどした場合、学費(経費含む)として4000万円以上を国庫へ変換しなければならないため、注意が必要です。

https://医学部.jp/